ある人生の谷底 その三

平成20年3月3日。ひな祭りの時期にしてはかなり暖かく、待ちゆく人はみなコートを手にして歩いています。
かつてGHQ司令部が入っていたというレトロなビルの向かいに日本商工会議所はありました。ロビーで待ち合わせなので待つことしばし。

☆☆☆☆☆

関与先
「お待たせしました。今期の決算までの予想を表にしてみました。利益は出るので2000万円くらい借りられれば今回は充分です」

monotone
(この期に及んでまだ借入する気なの!?)

☆☆☆☆☆

今回ここへ来た主旨を関与先さんにはハッキリ伝えていなかったので、これはある意味仕方ないことでした。どうやら「国が融資の口利きをしてくれる窓口」という認識だったようです。もちろんそういう窓口でもあるんですが。。。
チョットだけ表を拝見して、あえて否定も肯定もせずに窓口へ向かいます。

☆☆☆☆☆

商工会議所の職員さん
「お疲れさまでございます。◯◯と申します」

関与先、monotone
「本日はよろしくお願いします」

商工会議所
「早速ですが決算書を拝見します」

関与先
「こちらです。三期分持って来ました」

☆☆☆☆☆

関与先さんには予め、

◯過去に粉飾決算を繰り返して来たこと
◯個人負債も相当額あること
◯生活に必要な資金
◯繁忙期と閑散期のギャップのこと
◯現在の資金残高と今後の資金繰り予想

などなど、包み隠さず全てを正直に話すように伝えてありました。その辺りのことも改めて職員の方に念を押された上で、事業の内容や財務状況の聴き取りなどがサクサク進みます。

そして20分後(早っ

☆☆☆☆☆

商工会議所

これはもうムリでしょう。会社も社長さん個人も破産するしかないですね

monotone
(うわー直球すぎ。。。)←マジで冷や汗出ました

関与先
「、、、、、、え?」

商工会議所
「いいですか社長さん。この際、粉飾決算という詐欺云々についてはとりあえず置いておきましょう。
年商一億で実質の予想税引後利益が100万に満たない、月次にすると数万円なのに月々の返済額が200万円。役員報酬の月々の手取り100万円は未払いが続いていて受け取れず、繁忙期に稼いだ利益を個人負債の返済に回して、それと同時に銀行から融資を受ける。そして今回、ついに銀行には信用されなくなった。この辺のことどう思われます?」

関与先
「、、、、、、、、」

商工会議所
「こんな自転車営業で何が得られますか?何を失うと思いますか?」

関与先
「、、、、、、、、」

商工会議所
「幸い社長さんもまだまだお若いですし、お子さんも養育費がそれほどかからない程度には小さい。自宅などの資産もお持ちでないので、ある意味失うものは何もありません。消えるのは負債だけですし、いま必要なのは割り切りと今後の努力だけです」

関与先
うわーーーん!!!!(号泣)

monotone
(!?!?!?)

関与先
「今まで従業員みんなでどうにかこうにか頑張ってきて、子供も来年小学校に上がるまで育てられて、いよいよこれからだと思ってたのにーー!!」

☆☆☆☆☆

関与先さんはこの時30代後半。私のアニキとも言える年齢です。年上の綺麗な奥さんと可愛いお子さんが二人いるよきパパさん。
本やドラマや映画の世界では「男が泣く」のはよく見聞きしますが、現実の世界で、しかも自分の隣で身近な人がプライドを捨てて号泣する状況、想像が出来ますか?
自分で確信犯的にきっかけを作ったとはいえ、こういう展開はピクリとも想像してなかっただけに、monotoneさんは眩暈がするほどの衝撃を受けたのでありました。。。

次回に続く。

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