「お客さん紹介します」の裏側(その7)

前回は「理由は何であれ結局みんな黒かった」という話でした。タヌキの化かし合いもいいところです。

今回は誓約書の「指定された税理士に依頼する」の意味と、小沢さんの罪について考えてみます。たとえ「違法でない」としても、人としてどうなのか?という話です。

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鳩山先生は、ことの始めに従業員のmonotoneさんから「これはウラがありますよ」と野性の勘的な警告を受けました。この時点では誓約書の存在は考えてもいません。これに対して「僕はハンコ押すだけだから大したことはない。報酬も貰えるんだし」と答えます。
でも、本当に貰えるんでしょうか。正確に言うと「元は取れるのか?」。私はこのケースでは10中8.9の確率で取れない、と思ってます。残りの1.2は「取れても契約は長続きせずウハウハも有り得ない」です。書類や状況から考えうる話を組み立ててみます。

鳩山先生はこの契約が長く続くことを前提に小沢さんと顧客仲介の提携契約を結びました。でも鳩山先生の知らないところで「誓約書」が交わされています。つまり、長続きするかしないかは鳩山先生の顧問(提供するサービス)の良し悪しには関係なく、小沢さんの胸先三寸ということになります。
小沢さんにしてみれば、税理士から受け取る顧客紹介料は所詮オマケです。欲しいのはあくまでもハンコです。ハンコがなければ石井社長は銀行から融資を引き出すことができず、融資実行の成功報酬を得ることが出来ません。

鳩山先生が偏屈で「こんな申告書にハンコは押せん!」とゴネたら?その時は紹介手数料の計算期間満了前に、石井社長に他の税理士に顧問を依頼するよう「指示」するだけです。手数料の返還は貰ったものを半分返すだけですから自腹を切る訳ではありません。

ハンコは貰えたものの融資が引き出せなかったら?数ヶ月は契約が続くかもしれません。でも、融資が引き出せなければ石井社長の会社は資金が枯渇して破産する可能性が濃厚です。
別のストーリーとしては融資依頼先のランクを下げることも考えられます。この場合は銀行ではなくノンバンク、商工ローンに融資依頼先を変更する。金利が高いことも考慮して成功報酬は5%に値下げすることもあるかもしれません。金額にすると5,000万の融資で250万円ですね。その辺は石井社長のHPの残量によるかも。残HPがゼロに近ければ近いほど成功報酬の割合は下げずに済みます。何と言っても石井社長は臓器を売る覚悟でいますからね。

無事に融資が降りたら?この場合は鳩山先生にも花を持たせることもあるでしょう。石井社長は小沢さんのアドバイスに満足することで円満に関係が切れるかもしれません。
でも小沢さんにとって石井社長は臓器まで食い尽くせるおいしい人です。「またのご利用をお待ちしてまーす」というのが本音でしょう。というか、おそらくそうなります。負債を抱えた赤字体質の会社のとって、粉飾決算は麻薬ですので、近い将来リピーターになるのは心を入れ替えない限りまず間違いありません。

そもそも「借金」ってどうやって返すのでしょう?普通は会社を経営していくことで生み出される利益から、利益にかかる法人税などを支払い、その残余利益から返済して行くのが常道です。でも石井社長の会社はそんな健全な利益体質にはなっていません。継続して利益が出ていれば粉飾しようなどとは思いません(むしろ利益を圧縮したがるはずです)し、利益が出ているのであれば、それはしっかりとした帳簿管理が出来ているからこそのことです。
石井社長には例のごとく、「正しい経理処理」という感覚はありません。利益と資金残高の違いも分かりません。だから資金繰りに困っている訳です(粉飾決算の仕組みについてはこちらをどうぞ)。

利益が出ていない状況では、借り入れた資金があっという間に底を付くのは目に見えています。今までの返済額に加えて新規融資分の返済も増えるのですから、その分利益も増えてないと返せないのは当たり前です。
返済の先延ばしや支払いを猶予すれば?まともな会社なら銀行もokするでしょうが、自宅を担保に入れていたり、親族や知人を連帯保証人にしていたら、石井社長から猶予を申し出ることは考えにくいですね。つまり、数ヶ月後〜一年後には再び小沢さんの出番、粉飾仕訳という禁じ手炸裂、という訳です。

次回の申告時の税務顧問が依然として鳩山先生だったら、そのとき彼は粉飾を認めるでしょうか?帳簿を一年間チェックしていて、その中に相手方の違う貸付金と借入金の相殺仕訳が入っていたら、さすがの鳩山先生も見逃す訳にはいかないでしょう。今回の完成して押印までされた申告書が提出出来なくなった理由は、案外その辺の事情があるのかもしれません。おそらく税理士が押印まで済ませ完成させた申告書を石井社長の下に持っていき、最後に代表者の押印を押す段階になって小沢さんが 「粉飾仕訳」 をゴリ押ししてきたのでしょう(石井社長にはそういう知識はありません)。そこで「そんなこと出来るか!」とご破算になった。。。そうでも考えなければ、税理士がハンコまで押した申告書を、そのまま提出しないまともな理由が私には全く思い浮かびません。

長くなりましたがあと一つ。

そもそも後日追加で紹介を受ける三社が、小沢さんに財務のコンサルティングを依頼していない(単純に税理士を探していただけ)ならば?この場合は小沢さんは手持ちの駒としてその三社を鳩山先生に押し付けて、紹介料を手にしてとりあえず終わり、です。鳩山先生が有能で親身になってくれるいい税理士かどうかは、小沢さんにとっては関係ない話です。鳩山先生のような『都合のいい』税理士との顔繋ぎのために、そういう鉄砲玉を仕入れているのだと思います。

ちなみに、ここまでで小沢さんの目立った支出は電話代と背広代くらいですね。多少の経理知識と法を踏み越える胆力は必要かもしれませんが、人にリスクを背負わせといてその財布を食い物にするような人は早いとこ地獄に落ちればイイと思うよ

次回に続く。次で終わる予定w

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