「お客さん紹介します」の裏側(その4)

前回までのあらすじ
新しい顧客の決算書、申告書は怪しさてんこ盛り。
そこに加えて「誓約書」なるものも発見!
その内容とは。。。

☆☆☆☆☆
monotone
「なんじゃこれは!」

そこには、堂々たる筆致で書かれた「誓約書」(押印あり)なるもののコピーが挟まっていました。

〜〜〜〜〜

「誓約書」

小沢 殿

1.本決算にあたり、貸付金6500万円と借入金6500万円の元帳残高を相殺消去する。

2.1の処理による責任の一切はわたくし石井にある。

3.税務顧問は御社の指定した税理士に、指定された顧問料で依頼するものとする。

平成22年3月◯日 代表取締役 石井

〜〜〜〜〜

おそらくカバンに書類を詰め込む際に、間違ってこの誓約書も混入したのでしょう。コピーとはいえ折れ曲がった状態であることからも推察できます。

にわか探偵のmonotoneさん、過去の財務諸表の分析を開始します。まず気になるのは貸付金、借入金のそれぞれの相手方。どちらも相手が石井社長なのであれば問題はないはず。

過去の決算書類を調べること3分。
借入先は泣く子も黙るJFK銀行。貸付先は石井社長。残高の推移を見る限りでは少なくとも一年間は焦げ付いた後に、今回の決算では綺麗に消えています。。。。ということは、本来残高を相殺消去できるはずもなく、これは明らかに「正しくない」会計処理と言えます(もちろん石井社長がJFKに対して会社の債務を直接弁済したのであればアリな話ですが、「誓約」する類のものではないですね)

次に過去の申告書に署名した税理士さんをネットで検索してみます。

。。。全て実在する税理士さんのようです。しかも「従業員」が作ったと石井社長の言っていた申告書の署名欄の名前も、「税理士」として検索に引っかかりました。
一体どういうことなんでしょう??

次は仲介業者である小沢さんの会社をネットで検索してみます。

。。。ホームページを見る限りでは立派な会社のようではあります。会社案内に記載してある業務内容は、

財務コンサルタント
税理士紹介
司法書士紹介
その他、士業者を対象とした仲介業務

とあります。
実際におつき合いのある税理士さんがどんな人なのかまでは、残念ながら載ってません。ただ、実際にお客さんを連れて来たことや、紹介料の振込先を指定してきたということは、少なくとも実在する会社のようではあります。

今までの流れだけを見ると、違法なところは何もありません。「誓約書」の記載事項を除けば、「仲介業者がお客さんを連れて来て成約に至った」というだけの話ですね。ただ怪しさが爆発しているだけけけけけ。。。。

それにしても、誓約書の

3.税務顧問は御社の指定した税理士に、指定された顧問料で依頼するものとする。

これの意味って何だろう。。。

明日に続く。

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「お客さん紹介します」の裏側(その4)」への2件のフィードバック

  1. 今回の決算で借入金が相殺されているのですか? 

    ちなみに私はあんまり詳しく無いのですが、税理士の方は決算書に捺印した後に何か問題が発生すると責任取らされるのですか? 会計士さんだと無限責任だと聞いたことがあるのですが・・・ 

    • 今回の決算ですね。前期、前々期は両建てされていました。ただ、元帳には載っていないので、単に決算書の残高を相殺しただけのようです。JFK銀行には申告書に添付するものと別の決算書を提出することになるんじゃないでしょうか。損益さえ狂わなければ元帳見ない限り判断できないですから。

      税理士の責任についてはどこまであるのかはよく分からなかったりしますが、「善管注意義務」という意味では税理士が粉飾に関わるのはかなり危険だと思います。
      「公認会計士は負けたら割に合わない」とは聞きますね。ライブドアの時、監査法人の社員会計士は自殺しても損害賠償からは絶対逃げられない、と株主訴訟を受けた弁護士さんから聞きました。税理士も似たようなものじゃないでしょうか。

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