有価証券の評価益

前回までは資産としての社債について考えてみました。これから負債としての社債を時価評価するということについて考えてみたいと思いましたが、その前に(キターw)A社の業績が回復きたことにより、A社社債の市場価格が上がった場合のX社側の時価評価ついて簡単にまとめます。要は「評価益が立つ場合」ということですので、難しく考えずにいきます。

H23.3.31時点でのA社社債の市場価格は133,434でした。この後一年間でA社が業績を回復したことにより信用状態がある程度回復して、H24.3.31に市場価格が145,000まで回復したとします。もちろん「初期設定」ではこのH24.3.31は償還日ですので、150,000を社債権者X社に支払わなくてはなりませんが、とりあえず無視します。
ちなみにA社が満期日にロールオーバー(社債の繰り延べ=社債の新規再発行)をしようとすれば、「利率と債券価値」のところでまとめたようなプロセスを経てその約定利子率(クーポン利率)が決まって行くことになります。この辺は考えずに進みます。

X社のH24.3.31の時価評価の仕訳と、財務諸表(の一部)は以下のようになります。

前期H23.3.31の決算でX社が評価損として切り捨てた16,566のうち11,566回復し、133,434だったA社社債の貸借対照表価格が145,000になったことになります。評価した上で上がったため「評価益」という扱いになります。

時価のある有価証券については、基本的に毎年こんな感じで時価評価を毎年繰り返していきます。その年によって損が出たり益が出たりします。

ただし、以前も少し触れましたが、これらの評価損益は実際には売買していないため、あくまで「未実現の損益」(「売却したとすれば」こうなる)です。この時点で売買していれば、同額の損益が「売却損」「売却益」として損益計算書に記載されることになります。また貸借対照表は「財産状況」を表すものであるため、その内容は「売却」でも「評価」でも変わりません。

なんでこんなことをしつこく書くかというと、この「未実現の損益」こそが負債評価益の本質だからです。つまり、以前まとめてみました「買入償還」(自社債の買取)をA社なりX社(債務者=社債の発行者)が『したとすれば』、貸借対照表の状態がどうなるか?というのが「負債の時価評価」ということになります。

次回(こそ)はX社がH23.3.31第二期目の決算で、欧米のように負債の時価評価をしたとすればどうなるかについて考えてみます。

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