簿記的に見た経済の話 <その2> 債権者は誰?

簿記や経理に日常的に接していれば、無意識のうちに身に付く考え方がある。それは、

◯誰かの支出は誰かの収入
◯誰かの資産(債権)は誰かの負債(債務)又は資本
◯買う人がいれば売る人がいる

の三つだ。
これらの考え方は当たり前ではあるものの意外と世間では見落とされがち、というよりもあまりにも当然なことなので普段は意識されない視点のようだ。「経済のはなし」を考える上でも忘れてならないことだが、逆に言えばこれさえ分かってしまえば経済の仕組みはそれほど難しく考える必要はないものなのかもしれない。

身近な例として一番はじめに家計、企業、国それぞれの「借金」について書いた。ここでは日本国全体の貸借対照表(以下BS)の繋がりについて書いてみることにする。
登場するのは「家計」「企業」「銀行」「政府」の四者のBS。この四者が複雑に絡み合って国の経済は成り立っている。政府には日銀が背後にいるけれども取り合えず割愛。それぞれのT勘定を書いてみるとよく分かるかもしれない。
(注:以下現金と預金はほぼ同じ意味で用いている)

まず、家計のT勘定を考える。家計で車を購入するために銀行ローンを組んだとする。この場合、家計にとっての借入金は銀行の貸付金となる。
つまり政府を除く三者間での取引は以下のようになる。

家計:車(資産)が増えて、借入金(負債)が増える。
銀行:貸付金(資産)が増えて、現金(資産)が減る。
企業:現金(資産)が増えて、売上(収益)が立つ。

次に企業が銀行から融資を受ける場合を考える。この場合は企業では現金という資産が増えて、借入金という負債が増える。銀行では貸付金という資産が増えて、現金という資産が減る。仕訳は単純なので省略。

ここで銀行の資産、特に現金について考えてみる。家計や企業は現金をすべて紙幣や貨幣で所持している訳ではない。当面必要でない分は銀行へ預け入れ(預金し)ている。安全だし決済の都合上便利だからだ。では銀行にとっての「預金」は何になるかというと、家計や企業からの「預り金」、正確にいうと「借入金」となる。つまり家計や企業のBS上の「預金」は、現金と違って明らかな収益(利息)を生む貸付金(資産)。そこから発生する利息は、銀行にとっては借入にかかる支払利息に該当し、家計や企業にとっては貸付けにかかる受取利息となる。

銀行は家計や企業から借り入れた資金を元に、資金を必要とする家計や企業へ貸し付けることを生業としている。資金の融通→金融と言われる所以だ。
銀行も所詮は株式会社であり「稼ぐ」=利益を生む必要がある。銀行は人件費などの諸経費や支払利息を賄うために貸し付けをする(預かった資金を運用する)ことになる。

銀行の運用先は家計や企業への貸付けだけではない。政府に対しても貸し付けている。「安全な運用先として」日本国債を購入しているのだ。「家計や企業へ貸し付ければいいではないか」と思ったりもするが、リスク管理の観点から法律によって細かい制限がある。これについては後々書くことにする。

ここで、貸付債権としての現預金の流れについて、政府の負債から遡って考えてみると以下のようになる。

政府の負債は銀行の資産
銀行の資産は家計や企業への負債が原資
銀行の負債は家計や企業の資産

銀行をすっ飛ばして考えると、

政府の負債は家計や企業の資産

となる。従って、

「政府の負債は家計や企業の負債」というのは大ウソ

ということになる。「政府の借金は国民の借金」という理屈については「財務省HP 『日本の財政を考える』」を参照のこと。嘘も百回言えばなんとやら。簿記的に破綻している理屈を私たち自国民がアッサリと受け入れてしまっている。これはどうしたことか。何かに踊らされてはいないだろうか。
日本国債発行残高860兆円の買入れ先のうち海外の債権者の占める割合は5%に過ぎない。金額にすれば決して小さくはないが、あえて無視する。95%の方が圧倒的に大きいからだ。

「経済」の話題を何となく敬遠してきた人には新鮮な話かもしれない。でも財務省のホームページに掲載されている、テレビや新聞に書いてあるからと言って全てが事実とは限らない。

でも財務省はなぜ平気でこんな「大ウソ」をつくのか?彼等は難しい試験に合格したエリート中のエリートのはず。それなりの事実も含まれているのではないだろうか?

次は「政府の負債」について考えてみる。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中