簿記的に見た経済の話 <その1> 借金したくない言い訳

経済は難しい。でも理解することはできる。多少の簿記の知識と想像力があれば。
難しいからといって避けてはいけない。全ては自分のこととして跳ね返ってくるからだ。遠いテレビや新聞の世界の話ではないのだ。

しばらく不定期に難しい単語を使わずに、経済の話を整理していきたいと思う。

→ 「簿記なんかよく知らん」という方はこちらから先にどうぞ
企業はお金がなくては経営が維持できない。当たり前のことである。ある時点で手持ち資金が少なくなったらどうするか?
方法は三つある。

1.売る
2.借りる
3.倒産する

まず売る努力をする。売れればお金が入ってくる。売れない状況でまとまったお金が必要になった場合には、銀行から融資を受ける。給与や賃借料、光熱費などの必要経費は一定以上発生するからだ。売れないからといって給与や電気代を払わないわけにはいかない。
企業は利息を払いつつ元本を返済していく。100万円借りたら105万円にして返していく訳だ。家庭においても車や家のローンの支払いと構造は全く同じ。大黒柱が稼いだお金で足りなければローンを組む。お父ちゃんの小遣いは減るかもしれないが、返済はしばらく続く。

ところで、不景気や経営のマズさから売上が激減してしまい、手持ちの資金が底を尽いてしまった場合どうするか。道は二つある。
会社を維持したいのであれば追加の融資を受ける。もういいや、と考えるのであれば会社を整理する、いわゆる倒産である。

ところで融資を受けられる条件とは何だろうか?それは主に二つある。

1.売上あるいは利益が相応に生み出せていること
2.会社に資産価値があること

1については改めていうまでもない。
売上が立って利益が残れば結果としてお金が残るだろうという見込みが立つからである。
2については1の条件が満たせない場合には、例えばその会社が所有している土地や建物、車両などを売ることで資金化して銀行は回収できる。要は担保を確保するということ。
これもやはり家庭においても同じことが言える。ローンを組む際に「源泉徴収票」や「確定申告書」の提示を求められるが、これは前年の収入から今後の収入を銀行が見積もるために必要なものだ。つまり、企業であれ家計であれ基本的な条件は同じで、上記の二つの条件の少なくとも一つは満たせないと融資は受けられない。返せなくなっては銀行も困るからだ。

面白い?のは、(極論を言えば)売上がゼロの企業でも莫大な資産を持っていれば融資は受けられる。
つまり、土地、建物、車を担保にして現預金が少なくなったら担保と借入残高の均衡が崩れない限り、借入を継続して起こすことで延々と食い繋ぐことは理屈の上では可能だ。
これも家庭であっても同じことが言える。もちろんいつかは破綻することは感覚的に分かる。でもそれは何故か?

借入には追加で支払うべき利息が付きまとう。利息は受け取る側の銀行にしてみれば売上になるからだ。資産価値100万円の土地を担保に100万円借りれば105万円にして返さなくてはならない、ということ。もし売上や収入が本当にゼロならば、返済以外に使ってしまっている以上、返済や5万円の利息をいずれ支払えなくなる。「借入は将来の所得の『先食い』」とはよく言ったものだ。

政府(国)においても同じことが言える。
個人や企業の収益(所得)や所有する資産価値に対して税金を課すことで政府は「税収」を得る。これをもとに国としての「必要経費」の足しにする。つまり道路を造ったり、警察官を雇ったり、自衛隊を配備したり、学校を運営したりする。もし足りなければ借入をする(国債を発行する)。利息を払って借金をするのである。不景気になれば税収は減る。税金は利益に対して課されるからだ。国債を増発する(借り入れる額を増やす)ことで何とか賄える凌ぐことはできる。しかし、国債の増発を続ければ元本の返済額、利息の支払額は増えていく。税収が回復したとしても税収100万円に占める元本・利息の支払額は大きくなっているので、政府の必要経費に回せる残りは少なくなってしまう。元本の返済・利息の支払は「絶対」であるから、税収が増えなければ政府支出を絞るか増税するしかなくなる。そして「借入は所得の先食い」であるから、現在の国債の増発は将来の世代の負担となる。

だから、

「財政赤字が続くと国は破綻する」

「国民一人当たりの借金は2009.10.20現在673万円。
それだけ子、孫へ税負担の先送りをしていることになる」
いわゆる「借金時計」 )

∴「財政の均衡(黒字化)こそが日本には必要だ」

~~~~~~~~~~~~~~~
・・・以上が財務省の公式な考え方である。もっともな理屈である。
( revalさんのブログ参照
revalさん宛に届いた財務省からの返答には、小難しい言葉がたくさん並んではいるものの要点は三つだ。

1.借りたら利子を付けて返さなくてはならない。
2.いずれ返すのだから、いま追加の借入をガンガン起こすと子・孫の世代の負担になる。
3.だから国債の発行はこれ以上はまずい。返す方向で行かなくてはならない。

赤字を解消するためには

「必要経費を減らす」=政府支出を抑える。
「収入を上げる」=増税をする。
「借入残高を減らす」=国債増発を控え、償還していく。

これらを並行して行う必要があり、そして政府なり財務省なりが実行しようとしていることだ。

財務省の見解の1については確かにそうかもしれない。
でも、2と3については本当にそうだろうか?
抜けてる観点はないだろうか?

その辺について考えつつこれからぽつぽつと書いていきたい。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中